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  今回のテーマは久しぶりのサンテミリオンです。 サンテミリオンは近年格付けに関係なく、いわゆるヴァランドローに 代表される「シンデレラワイン」なる高額ワインが続出しています。
一方で、サンテミリオンの格付けは10年ごとに見直され 、たゆまぬ質の向上に努めています。今回はこの格付けにこだわり 「サンテミリオン・プルミエ・グランクリュ・クラッセ 」を味わってみました。 でもその前に、83年のラ・グランダム。しかも見たことのないコカ コーラのようなボトルの珍しいものでした。熟成したシャンパーニュ と蛍烏賊はベストマリアージュでした♪

メドックの格付けと違い、サンテミリオンでは10年後との見直しご とに昇格、降格があります。1986年の格付けでボーセジュール ・ベコが降格となりましたが、その理由は味わいの低下ではなく 、追加購入した畑の登録不備によるものでした。質の向上だけでなく 、煩雑な手続きを必要とするシャトーの経営は家族経営の限界を考えさせられます。今回の88年は降格しているので「プルミエ 」ナシの「グランクリュクラッセ」の表示ですが、味わいはしっかり としていて、バランスの良いものでした。まだまだ熟成が楽しめそう です。96年の格付け時に返り咲いています。

逆に96年に昇格を果たしたのはアンジェリスです。この昇格は 「頑張れば報われる」と言うことを若手や外部資本に示し 、一層の質向上と資本投下がなされる結果となりました。 今回は99年を予定していましたが、参加者のご好意で92年も追加 され、昇格前後の比較が出来ました。味わいにおいてはどちらも良い 年でなかったにもかかわらず、99年はブラックベリーのような味わ いがあり、若々しさを感じました。92年は飲み頃に入っているよう で、まろやかになっていて少し枯葉のようなニュアンスがありました。ラベルやコルクのマイナーチェンジも比較できて面白か ったです。

パヴィは現在のような濃厚メルロー仕立てではなく 、ミディアムボディで文句のない飲み頃ワインでした。

さていよいよメインのプルミエ・グランクリュ・クラッセAの2本で す。この2つは評価が最高だっただけでなく、土壌の質が全く異なり ます。
砂礫質の代表はシュヴァル・ブラン。89年は良い出来ではなかった はずですが、まだ若々しくカシスやメントールが感じられます。 「ベルベット」と言われるタンニンはなめらかだけれど 、これまで飲んだサンテミリオンとは違い、カベルネを感じます 。単体で飲むと間違いなく右岸の印象なのに、他の右岸と比べると品 種の違いが印象的です。熟成はまだこれからでしょうか。 (飲んじゃったけど)
石灰質の代表であるオーゾンヌは生産量が少なく、シュヴァル ・ブランの1/5です。52年は良年でタンニンは丸く 、赤い実やマッシュルームを感じますが、印象的だったのはミネラル です。メルローでこれほどミネラルを感じる事は今までありませんで した。いわゆる「鉄」だけではないミネラルです。私の知らないサン テミリオンでした。
最後にお店からシャルトリューズ・ミルティーユが出され 、会の余韻を楽しみました。

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